フリーランスの契約形態を紹介!仕事の選び方も解説!

・フリーランスの契約形態ってどんなのがあるの?
・契約形態によって何が違うの?
・自分にピッタリな契約形態って何?

フリーランスとしての働き方を考えている人の中には、契約形態の選び方で迷う人もいるでしょう。働く時間、期間、報酬が発生するタイミングは案件ごとで異なります。
勢いで案件を選ぶと、会社員の頃よりも仕事に縛られてしまい、不自由な生活を送ってしまう恐れも…。

そこで今回は、いろいろな視点から、フリーランスの契約パターンをいくつか紹介しています。働き方を決める時の、参考にしていただければ幸いです。

フリーランスの契約形態は主に2種類ある

フリーランスは、業務委託契約がメインです。業務委託契約とは、クライアントが外部(自社以外)へ業務を任せる契約のことで、主に2種類あります。

ここでは、2種類の契約について見てみましょう。

委任契約

委任契約とは、業務のプロセスに対して報酬が発生する契約のことです。たとえばクライアントからコンピュータシステムの制作を依頼されて、50%完成させた状態で契約が終了したとします。

委任契約ではシステムが完成していなくても、50%分作ったことに対して、報酬が支払われます。つまり、未完成の状況で契約が終了しても、報酬を受け取れる契約なのです。

請負契約

一方、請負契約は完成した物に対して、報酬が発生する契約のことです。
先ほどと同じく、クライアントからコンピュータシステムの制作を依頼された場合を例にすると、システムを完成させない限り、報酬は受け取れません。つまりシステムが完成しなかった場合、いくら時間を割いてたとしても報酬は0です。

フリーランスとして契約を結ぶ時の注意点

フリーランスは、会社員のように組織に守ってもらえない分、契約を結ぶ時に注意すべきことがたくさんあります。

ここでは、契約を結ぶ時の注意点を5つ紹介します。

1.労働基準法の対象外になる

労働基準法とは、会社で働きやすくために制定された法律です。「労働時間を毎月〇時間以内にしなければいけない」、「解雇をする時は、〇日以内に伝えなければいけない」など、あらゆることが設定されています。
しかし、この法律は会社員(正社員、パート、アルバイトなど)にしか適用されません。つまり、フリーランスには適用外です。

フリーランスとして仕事を請け負っている限り、毎月の労働時間が数百時間にのぼったり、契約の打ち切りを突然通告されたりしても、文句は言えません。仮に1つのクライアントとしか業務委託契約をしていなかった場合、契約の終了を言い渡されてしまい、毎月数十万円あった収入が0になることもあります。

契約打ち切りによって収入を0にしないためには、複数のクライアントと契約と結んでおくと、ダメージを抑えられます。クライアントが複数いれば、収入源が1つなくなっても、他の案件でカバーできるため、収入が0になることはありません。

2.時給換算をして報酬が安すぎないか確認する

時給換算をして、報酬が安すぎないか確認するのも大事です。仮に50万円の案件で、100時間かかった場合、時給換算すると5,000円です。しかし1,000時間かかると、1時間あたり500円にしかなりません。

つまり「報酬額が高い=お得な仕事」とは限らないのです。時給換算した金額が最低時給を切る案件ばかりだと、フリーランスとして稼ぐのは難しいです。想定される作業時間を考えてから、請け負うことをおすすめします。

3.報酬の支払い確認をする

報酬の支払い確認をするのも大事です。
とくに、下記の3つは確認しましょう。

報酬が振り込まれる日

基本的には「月末締め翌月末の振込」が多いものの、クライアントの中には「月末締め2カ月後の月末振込」としているケースもあります。振込日を確認せずに仕事を請け負ってしまい、資金のやりくりが苦しくなる人もいるため気を付けましょう。

その他に、振込日が土日祝日だった時の対応確認も大事です。月末が土日祝日だった時に「前倒しor後ろ倒し」のどちらで振り込まれるか、確認しておきましょう。

振込手数料

振込手数料が発生する時は、どちらが負担するかも大事です。仮に、自身が手数料を負担する場合、帳簿を作成する時に「支払手数料」として、計上しなければいけません。

報酬が計上されるタイミング

システムを制作する案件の場合、報酬が発生するタイミングは、このように分かれます。

  • クライアントへの1回目の納品で報酬が発生する
  • 修正などが全て完了した段階で報酬が発生する
  • システムの運用が始まった段階で報酬が発生する

クライアントごとで、報酬が発生するタイミングは異なります。報酬が発生するタイミングで振込日もズレるため、業務委託契約を結ぶ時に確認しておきましょう。

4.口約束をしない

口約束をしないことも大事です。なぜなら、証拠として残らないからです。

1つの例を見てみましょう。

  1. フリーランスのAさんはクライアントと口約束をして、20万円の案件を請け負った
  2. Aさんは1カ月間かけて、20万円の案件を完成させてクライアントへ納品した
  3. クライアントから約束の10万円払うねと言われた
  4. Aさんは「約束では20万円の報酬でしたよね?」とクライアントに言う
  5. しかし、クライアントは「10万円の報酬だった」と言う
  6. 証拠がないから、Aさんは10万円の報酬しか受け取れない

口約束をすると、上記のように不利益を被る恐れがあります。言った言わないのトラブルに発展すると、時間や手間がかかるだけではなく、クライアントとの関係性にヒビが入って、仕事を失うことにもなりかねません。

それを防ぐためにも、書面やメール上でやり取りをして証拠を残すべきです。最近はクラウドサービスの誕生で、契約書のやり取りも簡単になっています。オンライン上のサービスを活用すると、契約上のトラブルが起きにくくなるでしょう。

関連記事:電子契約サービス17選|紙で交わす時の違い・メリットも解説!

5.時には断る勇気を持つ

仕事を依頼されるのが嬉しくて、何でも請け負う人もいます。しかし、それは危険です。依頼された仕事を請け負いすぎると、キャパを超えてしまい、パンクする恐れがあるからです。心身ともに体調を崩したり、仕事に対するモチベーションが上がらなかったりして、事業に集中できなくなる人もいます。

断る勇気を持つのは、自身がフリーランスとして活動し続けるために大事です。とは言え、なかなか断れない人もいるでしょう。
そのような方は、あらかじめ請け負う基準を決めておくと良いです。

  • 1日の作業時間が〇時間以内で済む案件のみ受ける
  • 時給換算した時の報酬が〇〇円以上の案件のみ受ける
  • 〇〇のジャンルのみの案件しか引き受けない

クライアントへ断る理由を説明しやすくなって、嫌な仕事を断るのもラクです。

フリーランスの報酬設定方法は複数ある

フリーランスの報酬設定方法には、主に3種類あります。
ここでは、各方法の説明を解説しつつ、メリットとデメリットを見てみましょう。

成果報酬制

成果報酬制とは、その名の通り成果によって決まる報酬制度のことです。「成果物1つに付き〇万円の報酬」といった形で決まっています。

メリット

働いた時間が影響されないことです。つまり短時間で作業が終われば、時給換算した時の単価は上がります。
高報酬でかつ短時間で終わる案件を選べば、高収入も夢ではありません。なかには、毎月100万円以上稼ぐフリーランスもいます。

デメリット

長く働いても作業が完了しない限り、報酬が払われないことです。たとえ、数百時間かけて行った作業でも、途中で作業を投げ出したり、断念したりすると報酬は1円も払われません。
作業時間によって報酬が決まらない分、短時間で成果を出せない人にとっては厳しく感じるでしょう。

時給制

時給制とは、1時間あたりの報酬が決まっている制度のことです。「1時間の作業に付き〇円」という報酬形式で、派遣社員やアルバイト・パートにも、用いられています。

メリット

働く時間が長くなれば、報酬が増えることです。仮に時給1,500円で50時間働く場合は7万5,000円の報酬ですが、100時間働くときの報酬は15万円になります。よって、長時間働き報酬を増やしたいフリーランスに向いています。

デメリット

短時間で成果を出しても、報酬が増えないことです。働いた時間に対して報酬が発生します。つまり、短時間で作業を終えて働く時間が短くなれば、報酬は減ります。
また、他のメンバーよりも質が高い仕事をしても、時給が一緒であれば支給される報酬額も同じです。結果、仕事ができる人にとっては、不平等さを感じるかもしれません。

月給制

月給制とは、1カ月間の報酬が決まっている制度のことです。正社員や契約社員などに用いられるケースが多いものの、一部のフリーランスにも適用されています。

メリット

1カ月間の報酬が、保障されていることです。クライアントに与えられた業務内容をこなせば報酬がもらえるため、収入を確保したい人におすすめです。仮に生活費が15万円の人であれば、それを超える金額の報酬が確保されていれば、他の仕事がなくても最低限の生活は送れます。

ある程度の収入を、前もって確保したい人にピッタリです(もちろん仕事をしなければ、報酬はもらえません)。

デメリット

その案件に縛られる可能性があることです。携わる時間数が多ければ、他の案件に時間を割けません。
フリーランスの中には「他の案件を受けたいけど時間がなくて受けられない」、「案件を増やしたいけど体力的に持たない」状態となる人もいます。

フリーランスの働く時間は人によって異なる

ひと口にフリーランスといっても、働く時間は人によってまちまちです。どっぷり仕事をする人もいれば、そうではない人もいます。

ここでも3つのパターンに分けながら、メリットとデメリットを解説します。
(参考:フリーランス白書2019

ハードワーク型

フリーランスの業務に、毎月200時間以上使っている人のことです。「寝る間を惜しんでも仕事に携わりたい」と思うフリーランスには、ハードワーク型が向いているかもしれません。

メリット

短期間で納品が完了することです。仮に400時間かけて完成させる案件を請け負った場合、毎月100時間ずつの作業だと、納品までに4カ月間かかります。しかし、毎月200時間ずつ作業すれば、2カ月間で納品できます。

短期間で納品すれば、クライアントからの評価が良くなって、新たな案件を紹介してもらえるかもしれません。

デメリット

体を壊す恐れがあることです。長時間働きすぎて、体調不良を起こしたり入院したりすることも…。
体調不良で仕事ができなくなると、収入が途絶えます。なかには、廃業に追い込まれた人もいるようです。

フルタイム型

フリーランスの業務に、140~200時間未満使っている人のことです。「会社員と似た生活リズムを送りたい」人に向いています。

メリット

フルタイムで働いていた時と同じライフスタイルを送りたい人に、ピッタリな働き方です。フリーランスとして独立したものの、会社員と似た働き方をしたい人におすすめです。

デメリット

会社員と同じ仕事スタイルを送っても、理想の生活が手に入るとは限りません。「会社員時代と変わらず働いているのに、なんで不安定な生活を送っているんだろう」と精神的に滅入ってしまい、悪循環に陥る恐れもあります。

時短型

時短型とは、フリーランスの業務に使っている時間が、毎月60~140時間未満の人を指します。ガッツリ働きたくないものの、少し仕事をしたい人に、向いている働き方です。

メリット

拘束時間が少ないことです。勉強や趣味・家庭の時間など、いろいろなことに時間を回せます。仕事以外のライフスタイルを充実させたい人にも、ピッタリです。

デメリット

仕事に携わる時間が短いため、仕事を請け負ってから慣れるまで、時間がかかるかもしれません。仕事をたくさんこなしながらスキルを上げたい人には、向いていない働き方です。

フリーランスは「契約・報酬・労働時間」の3点から契約形態を選んだ方が良い

「契約・報酬・労働時間」の3点を基準にして契約形態を選ぶべきです。
ここでは、契約形態や仕事を選ぶ時に抑えた方が良いポイントを5つ紹介します。

案件によって契約形態を変えてみる

案件ごとで働き方を変えるのもアリです。
たとえば、こんなパターンです。

  • A案件→成果報酬制、週2回、1日4時間働く
  • B案件→時給制、週3回、1日3時間働く
  • C案件→月給制、週1回、1日6時間働く

案件ごとで働き方を変えると、変化を感じながら仕事ができるため、飽きにくくなるでしょう。

ライフスタイルを意識して契約形態を選ぶ

理想とするライフスタイルに合わせて、契約形態を選ぶのも大事です。

  • 19時以降は家族との時間を大事にしたいから、日中のみ仕事をする
  • 日中は動くことが多いから、夜19時以降のみ仕事をする
  • 時間に縛られていないから、好きな時に仕事ができる働き方をする

上記のように、各フリーランスで理想の働き方は違います。ストレスが溜まりにくい働き方をするために、どんな案件を請け負うべきか考えながら、仕事を選びましょう。

毎月の目標報酬額を設定する

「毎月〇万円以上稼ぐ」というように、目標とする報酬額を設定するのも大事です。報酬額の決め方が分からない人は、下記の3つを意識すると決めやすいです。

生活費

毎月の生活費を算出しましょう。仮に1カ月間の生活費が20万円かかる場合は、少なくとも20万円以上の報酬が必要になると、見当を付けられます。
家計簿をつけておくと、毎月の生活費が見える化されているため、見当をつけやすくなるでしょう。

税金

会社員の場合、基本的に給料から税金が天引きされるため、払い漏れが起こることはほとんどありません。しかしフリーランスは、報酬を受け取った後に税金を支払います。つまり、会社員と比べてフリーランスは、払い漏れが起こる可能性が高いです。

支払期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生します(発生しない場合もアリ)。余計な税金を払わないためにも、推定の税額を推測しながら報酬を決めてください。

フリーランスが支払うべき税金の種類や金額の計算方法についてはこちらで解説しています。

関連記事:【初めての確定申告】フリーランスが支払う税金について解説
関連記事:フリーランスと会社員は税金の計算方法が違う!?両者を比較!

独立当初から高単価を求めすぎない

仕事の実績が少ない人は、独立当初から高単価を求めすぎないことも大事です。仮に、高単価の案件に応募したとしても、実績がないと仕事を任せてもらうのは難しいです。
フリーランスの中には、高単価の案件ばかり狙って契約できずに、収入がほとんどない人もいます。そのため、独立当初は少し単価が低い案件を請け負うのも一つの手です。

案件をこなせば、実績をたくさん作れます。過去の実績をクライアントに提示できるようになれば、高単価の案件を任せてもらえる確率は上がります。目先の利益のみで案件を選ぶのは、控えましょう。

競合が多くても、やっていけそうな業務の仕事をする

競合が多くて、案件を獲得するのが難しい仕事のジャンルもあります。それを防ぐには「競合がいても仕事を依頼してもらえそうなジャンル」、「どんなジャンルの仕事を請け負えば、クライアントに好印象を与えられるか?」を考えることが大事です。
いろいろな業界の人に話を聞くと、おのずと見えてくるかもしれません。

将来的になくなると言われる仕事もあれば、需要が高まると推測されている仕事もあります。フリーランスとして、生き残る術を考えながら、仕事を選んでみてください。

フリーランスは「派遣社員・フリーター・個人事業主」と似てるが微妙に違う

フリーランスと「派遣社員・フリーター・個人事業主」の区分は異なります。

最後に、フリーランスと3つの働き方の違いを解説します。

フリーランスと派遣社員の違い

大きな違いは雇用元です。フリーランスは、どこの会社にも雇用(所属)されていませんが、派遣社員は「派遣会社のスタッフ」として雇用されています。

他にも、これらの違いがあります。

報酬の受け取り方

フリーランスはクライアントから直接受け取るが、派遣社員は派遣会社から受け取る(クライアントから受け取らない)。

税金の支払割合

フリーランスは全額負担だが、派遣社員は派遣会社が一部負担する。

福利厚生の有無

基本的にフリーランスには福利厚生がない。一方、派遣社員は派遣会社の福利厚生を利用できる。

フリーランスとフリーターの違い

フリーランスとフリーターの大きな違いは働き方です。

フリーランスは、基本的に業務委託契約で案件を請け負って、生計を立てます。一方、フリーターとはアルバイトなど非正規雇用で、生計を立てている人のことです。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主の違いは、対象者の数です。

個人事業主とは、事業を興して生計を立てている人のことで、フリーランスの他に自営業者も含まれます。よって、両者の意味は異なるのです。

まとめ

フリーランスの契約形態の選び方などを紹介しました。
今回の記事をまとめると、こちらです。

✓フリーランスが結ぶ業務委託契約には2種類ある
①委任契約
②請負契約
✓契約形態や仕事を選ぶ時に抑えた方が良い5つのポイント
①案件によって契約形態を変えてみる
②ライフスタイルを意識して契約形態を選ぶ
③毎月の目標報酬額を設定する
④独立当初から高単価を求めすぎない
⑤競合が多くても、やっていけそうな業務の仕事をする

契約形態など、働き方によってフリーランスとして快適な行動ができるか決まります。
自分のことをしっかりと考えたうえで、働き方を決めてみてください。

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