フリーランスが加入する国民年金とは!?免除申請・老後対策も解説

・フリーランスが加入する個人年金とは
・フリーランスで年金を支払わないとどうなるのか
・個人年金を支払えない場合の対処方法は

フリーランスの皆さんは、ご自身で年金を支払う必要があります。これは会社員の方とは異なり、給料から天引きされることが少ないため、年金について考える必要があります。

通常、会社員は給与から年金保険料が天引きされるため、年金に関する手続きや支払いについてあまり心配する必要はありませんでした。しかし、フリーランスの場合は収入が不安定なため、年金支払いに関する理解は欠かせません。実際、収入が会社員よりも少なくなることが多いため、将来の年金受給額もそれに比例して低くなる可能性があります。

もしも年金の支払いが滞ってしまうと、将来的に困る可能性があります。そのため、フリーランスの方々は年金制度について詳しく知り、計画的な支払いを心がけることが重要です。また、仕事の収入が安定しない場合や突発的な支出がある場合に備えて、年金免除制度についても把握しておくことが大切です。

ここで注目したいのは、フリーランスが加入できる年金制度や、年金未納の影響についてです。さらに、フリーランスが活用できる年金免除制度や、個人年金についても解説します。これらの情報を理解し、将来の安定した生活のために適切な対策を講じましょう。

結論として、フリーランスの皆さんは自身で年金を支払う責任がありますが、適切な知識と計画を持つことで、安心して老後を迎えることができます。将来に向けての準備を怠らず、積極的に情報収集や相談を行いながら、しっかりとした年金戦略を築いていきましょう。

フリーランスが加入する年金とは?

独立してフリーランスとなる場合、加入するのは「国民年金」となります。国民年金は、個人事業主、経営者、学生、無職の人などが対象となる年金制度です(第1号被保険者)。この制度では、本人が全額の保険料を支払います。支払額は収入によらず決まるため、年度ごとに変動します。(2023年度の支払額は16,520円/月)

一方で、会社員の場合は「厚生年金」の支払いが求められます。厚生年金は、国民年金に追加される形の年金制度で、主に会社員や公務員が加入します。支払いは会社との折半です。ただし、厚生年金の保険料は年収に応じて異なります。

国民年金の受給額は平均約5万円程度であるのに対し、厚生年金の受給額は平均約14万円程度です。このため、合わせて約20万円程度の受給が見込まれます。ただし、個人の所得によって受給額は変動するため、平均受給額よりも少なくなることもあれば、多くなることもあります。

その他にも、厚生年金に加入している人だけが受け取れる「加給年金」が存在します。この加給年金は、加入者が65歳になった際に、生計を共にする配偶者や子どもがいる場合に支給されるものです。加給年金の額は、通常1~2人の子どもがいる場合は1人あたり年に22,4700円、3人目以降は7,4900円です。

一般的には、フリーランスが加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金とでは、厚生年金の方が保障が手厚いと言えるでしょう。国民年金と厚生年金の違いについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

フリーランスが年金を払わないとどうなる?

国民年金は、収入に関係なく一定額で支払う必要があるため、仕事が安定せず支払いが滞ってしまうフリーランスもいるでしょう。しかし、国民年金の支払いを無視し続けるのは、かなり危険です。

国民年金の支払いを無視した時に起こることを、ステップに分けて見ていきましょう。

フリーランスが年金を払わないと起こること
①電話がかかってくる

②催告状が届く
③督促状が届く
④資産差押通告が届く
⑤資産差押えが決行される
順番に見ていきましょう。

ステップ1.電話がかかってくる

国民年金の支払いを怠った場合、日本年金機構が業務を委託している民間企業から電話がかかってくることがあります。電話の主旨は、未納の年金保険料がどの期間に該当するのか、また支払いがいつまでに行えるのか、といった内容です。

時には、コミュニケーションのズレから電話がかかってくるタイミングがずれることもあるようです。もしも支払いを済ませている場合は、その旨を伝えることが重要です。これにより、誤解が生じるのを避けることができます。

ただし、この電話を無視したり、約束した期限に従って年金の支払いを行わなかったりすると、状況は次の段階に進む可能性があります。支払いに関するコミュニケーションを怠ると、問題が深刻化する可能性があることを認識し、迅速に対処することが重要です。

ステップ2.催告状が届く

この段階では、催告状が送付されます。要は、年金の支払を促すための書類です。催告状には以下の2種類のものがあります。

・催告状
・特別催告状
それぞれ確認していきましょう。

催告状

催告状は、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」という文言が記載された書類が郵送されてきます。この通知書には未納している保険料の金額と支払い期限が明記されています。この通知を受け取った際には、指定された金額を支払うために銀行、郵便局、コンビニなどの支払い方法を利用することが大切です。

支払い期限に注意して、迅速に未納分の保険料を支払うことで、問題を避けることができます。未納分の保険料を支払うことにより、催告状に記載された金額を滞納せずに済ませることが可能です。この段階できちんと支払いを行うことで、支払いに関するトラブルを未然に防ぐことができます。

特別催告状

催告状が来ても、支払いをせずにいると、特別催告状が届きます。特別催告状は封筒の色によって緊急度が変わってきます。

・青色:まだ余裕がある
・黄色:要注意
・赤色:危険

もし赤色の封筒が届いた場合、その中には財産の差し押さえを検討する可能性があるという旨が記載された書類が同封されています。ただし、必ずしも財産の差し押さえが行われるわけではありません。このような封筒が届く場合、それは日本年金機構が「単に支払いを忘れているだけでなく、意図的に支払いを怠っている」という認識を持っていることを示しています。

ですが、支払いを怠っているという印象を避けるためにも、できるだけ早く支払い手続きを行うことが重要です。これにより、誤解を解くだけでなく、支払いに対する責任感を示すことも可能です。自身の信用や財産を守るためにも、支払いを迅速に済ませるよう心がけましょう。

ステップ3.督促状が届く

赤色の特別催告状が届いても、支払いを怠った場合には、督促状が送られてきます。この督促状は、本人だけでなく、家族や配偶者にも送付される可能性があります。督促状が届くと、通常の国民年金保険料に加えて、延滞金を支払う必要が生じます。

このため、督促状が送付される前に支払い手続きを済ませることが望ましいです。督促状が到着すると、延滞金を支払わなければならない状況になり、支払いの負担が増加します。督促状の到着前に支払いを完了させることで、余計な負担を避けることができます。

このような状況を回避するためにも、支払い期限を守り、未納分の保険料を速やかに支払うことが大切です。自身と家族の経済的な安定を守るため、支払いに関する責任を果たすことを心がけましょう。

ステップ4.資産差押通告が届く

督促状を無視し続けると、次の段階として資産差押通告が届くことになります。この通告には、あなたの資産を強制的に差し押さえる可能性がある旨が明記されています。

資産差押通告が届いた段階では、実際に財産の差し押さえ手続きが進行していくことになります。この手続きによって、債務の未納分や延滞金を回収するために、あなたの所有する資産が差し押さえられる可能性があります。差押えられる資産は、銀行口座や不動産など、その種類によって異なります。

この段階になる前に、督促状や通告を無視することなく、未納分の保険料や延滞金の支払い手続きを進めることが大切です。財産の差し押さえは避けたい状況であるため、早めに支払いを行い、トラブルを未然に防ぐよう努めましょう。

ステップ5.資産差押えが決行される

差し押さえられる代表的な資産としては、以下のようなものが考えられます。

・給料の最大4分の1
・貯金
・自宅などの不動産
・生活必需品以外の資産(自動車や家具など)
強制的に行われることですので、拒否することはできません。このような事態に遭わないためにも、国民年金は必ず支払うようにしましょう。

支払いをしないと将来年金が受け取れない or 受け取れる金額が減る

国民年金の支払いを怠ると、将来的には重大な影響が及ぶ可能性があります。支払いを怠ることで、財産の差し押さえや将来の年金受給に関わる問題が生じるだけでなく、年金を受け取る資格そのものが失われる可能性があります。

年金を受給するためには、最低でも10年以上の間、国民年金保険料の支払いが必要です。これは年金受給のための基本的な要件です。また、10年以上支払っていたとしても、未納期間があると、将来の年金受給額に影響を及ぼす可能性があります。未納期間があると、受給額が減少することがあります。

未納期間については、最大で2年まで遡って支払うことができるルールがあります。未納期間がある場合は、その期間分の保険料を支払うことで、将来の年金受給への影響を最小限に抑えることができます。したがって、未納期間がある場合は、できるだけ早く支払い手続きを行うように心がけましょう。支払いを通じて、将来の安定した年金受給を確保することが大切です。

年金を払えない時に活用できるのが免除制度

年金の支払いが困難な場合、そのような状況に対処するためには「免除制度」を活用することができます。免除制度とは、年金の支払いが一部または全額免除されたり、減額されたりする制度のことです。

この制度は、毎年の所得に基づいて利用可否が判断されます。所得額が少ない人々が主に利用できる制度ですが、一定額以上の所得がある場合には利用が制限されることもあります。

免除制度を利用することで、現在の経済的状況に合わせて年金の支払い負担を軽減することができます。ただし、制度の利用可否は所得に応じて変動するため、個人の具体的な状況に基づいて判断することが重要です。

免除制度は、経済的な困難に直面している人々の支援を目的としています。支払いが難しい場合には、自身の状況に合った制度を利用することで、将来の年金支給に対する影響を軽減することができます。

なお免除制度は、以下の4種類あります。

全額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

4分の3免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

4分の1免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

出典:日本年金機構

仮に1人暮らしであれば、年間の所得が57万円を下回ると全額免除の条件をクリアできます。免除をすれば年金保険料が減るので、金銭的負担は減ります。しかし年金受給額も減ることは覚えておきましょう。

その他に出産予定月(出産した月)から4カ月間、免除される制度(国民年金保険料の産前産後期間の免除制度)もあります。

まとめ

フリーランスが年金を払わないと起こること
①電話がかかってくる
②催告状が届く
③督促状が届く
④資産差押通告が届く
⑤資産差押えが決行される

フリーランスの方は、会社員と異なり、自身で国民年金に加入し、保険料の支払いを自己管理する必要があります。国民年金保険料を支払わない場合、ペナルティが科せられる可能性もあります。

もし経済的な状況が厳しいために保険料の支払いが難しい場合、最寄りの年金事務所に相談することを強くおすすめします。免除制度を利用することで、一時的な経済的困難に対処することができます。この制度は、支払いが難しい人々をサポートするために用意されています。

もしご自身の年金保険料の支払いを怠ってしまうと、最悪の場合、資産が差し押さえられる可能性があります。このような事態を避けるためにも、年金保険料の支払いを忘れずに行うよう努めてください。将来の安定した年金受給を確保するためにも、支払いに対する責任を持つことが大切です。

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