フリーランスの準委任契約について理解しよう!

・フリーランスの準委任契約って何?
・業務委託契約と準委任契約って違うの?
・準委託契約を結ぶ時の注意点は?

フリーランスの中には、クライアントから「準委任契約でお願いします」と言われて「準委任契約ってなに?」と思った人もいるでしょう。

契約内容を知っておかないと、仕事が始まってから不利益を被ることがあります。契約内容によって、報酬体制や仕事の仕方は変わります。なるべくストレスが少ない状態で仕事をするためにも、契約内容を知っておくことは大事です。

そこで今回は準委任契約の概要をお伝えしつつ、メリット・デメリット・注意点などを紹介します。

準委任契約の概要

準委任契約とは、業務委託契約の一種です。業務委託契約とは、クライアントが業務を外注する時に結ぶ契約のことで、準委任契約の他に「委任契約」、「請負契約」があります。

ちなみに準委託契約は、「履行割合型」と「成果報酬型」の2パターンに分かれます。

履行割合型

業務量や作業時間に対して報酬が支払われる制度のことです。
たとえば1時間当たりの報酬単価が同じだった場合、50時間働いた人よりも100時間働いた人の方が報酬を多く受け取れます。

成果報酬型

成果物の作成を達成したことに報酬を支払う制度のことです。システムを作っているSEであれば、システムを納品した段階で報酬が発生します。
こちらには請負契約に関する記事が載っていますので、準委託契約との違いを比べたい時に見てみるといいでしょう。

関連記事:フリーランスの請負契約について理解しよう!

委任契約と準委任契約の違い

委任契約と準委任契約の違いは、法律に関わる業務を委託するかです。
委任契約では法律に関する業務を委託します。代表例が「弁護士への訴訟代行の依頼」です。訴訟代行は法律に関する業務であるため、委任契約となります。

一方、準委任契約は法律に関する業務以外を委託する時に交わす契約です。たとえばSEのシステム構築は、法律に関する業務ではないため準委任契約となります。

準委任契約を結ぶメリット

ここでは準委任契約を結ぶメリットを見てみましょう。

成果物が完成していなくても報酬を受け取る権利がある

履行割合型の契約を結んだ場合、工程や作業時間に対して報酬が支払われます。そのため成果物を完成できなかったり、プロジェクトの途中で契約が終わったりしても報酬を受け取れます。

仕様を変更しやすい

履行割合型の場合、クライアントの負担が減ったり、お得な内容を提案すれば、仕様の変更を受け入れてもらえるかもしれません。なぜなら、プロセスに対して報酬が発生しているからです。

たとえば「工数や作業時間が減る」な内容を提案すれば、作業量・労働時間の減少によって、人件費の削減につながるかもしれません。そのためクライアントにメリットがあれば、仕様を変更してもらえる可能性は十分あります。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)がない

瑕疵担保責任とは、納品した成果物に不具合が起こった時の責任に関することです。請負契約では成果物を納品したとしても、不具合があれば契約終了後も対応しなければいけません。

しかし準委任契約では、受託者の瑕疵担保責任に関する事項はないです。規定通りに成果物を納めていれば、納品後に不具合が生じたとしても対応する必要はありません。納品後の責任は、ワーカーではなくクライアントに移ります。

準委任契約を結ぶデメリット

その一方、準委任契約を結ぶデメリットもあります。
ここでは履行割合型のパターンを基に、デメリットを3つ紹介します。

途中で開発が止まる恐れがある

このような理由で、開発が途中で止まることがあります。

  • 予算がなくなったから開発を辞める
  • 工程や作業時間を見直して支払う報酬を減らしたいから開発を止める
  • 別のプロジェクトチームに予算を回したいから開発を辞める

プロジェクトの進み方が決まったからと言って、その通りに100%進む保証はありません。途中で開発が止まって仕事がなくなることもあります。
そうなっても良いように、日頃から備えておきましょう。

契約解除されるリスクがある

完成まで時間がかかりそうなプロジェクトでも契約解除されるリスクは十分あるのです。
「履行報酬型」ではプロセスに対して報酬が発生しています。したがって、「完成までの期間が長いから当面仕事に困らない」という考えは、持たない方がいいでしょう。

進行状況をコマメに報告することが多い

プロセスに対して報酬が支払われる分、進行状況を報告しなければならない場面は多くなります。
「ちゃんと仕事をしているか?」「業務に関する専門性を持っているか?」など、確かめる意味で、報告を義務付けているクライアントもあります。クライアントへ報告するのが面倒な人にとっては、きつく感じるかもしれません。

準委任契約の流れ

契約書に目を通しましょう。その時に「履行割合型」か、「成果報酬型」か確認してください。
契約内容によって、報酬を受け取る基準が変わるからです。「本当はこっちの方が良かった」とならないように、契約前の段階で見ておきましょう。

確認後は契約書に署名を記入し、契約書の控えを保管してください。

準委任契約を結ぶ時の注意点

準委任契約を結ぶ時には注意点もあります。
最後に注意点を3つ紹介します。

業務のタイミングによって短期で解約される場合がある

準委任契約を結んだものの、業務上必要ないと判断されれば契約解除となります。
数カ月間・数年程度続く業務であれば、長期間仕事に携われるかもしれません。しかし、プロジェクトの中には、2,3カ月程度で終わってしまうものもあります。

短期の案件が多いと仕事を探すための営業活動が増えてしまい、生活に支障をきたす恐れも…。1つの仕事に長期間携わり続けたい人は、仕事に携われる期間を予想しながら、案件を探しましょう。

再委託は原則できない

再委託とは、自身が請け負った仕事を他の人に回す行為のことです。準委任契約では再委託が認められていないため、基本的に自分で作業を行います。しかしクライアントの許可がおりれば、再委託できます。

時間給や日当で支払われることが多い

準委任契約は、時間給や日当で支払われることが多いです。つまり働いた時間・日数が多くなるほど、報酬は増えます。一方、請負契約の場合は、成果物に対して支払われる報酬ですので、作業時間が短い人ほど時給単価が高くなります。

短時間で作業が終わったり、労働時間が減ったりする人にとっては、準委任契約だと損した気分になるかもしれません。

善管注意義務が発生する

善管注意義務とは、最低限のことを注意しながら作業しなければならない義務のことです。
注意の範囲は、受注者のスキルや経験・専門性などによって決まります。SEであれば「他のシステムを誤作動させないように作業する」、「インシデントが起こったら対応する」といったイメージです。

善管注意義務違反をすると、クライアントから損害賠償請求されたり、契約解除を言い渡されたりすることがあります。

まとめ

準委任契約を中心に紹介しました。
まとめると、こちらです。

✓準委任契約のメリット
①成果物が完成していなくても報酬を受け取る権利がある
②仕様を変更しやすい
③瑕疵担保責任がない
✓準委任契約を結ぶ時の注意点
①業務のタイミングによって短期で解約される場合がある
②再委託は原則できない
③時間給や日当で支払われることが多い

準委託契約は、業務終了後に負わなければいけない責任が請負契約と比べて小さいものの、仕事がしにくいと感じる人もいます。自分の働き方に合った契約内容か確認してから、仕事を始めましょう。

※本記事の内容などは2020年8月現在の情報です。

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