・子育てをしながらフリーランスの活動ができるか不安…。
・子どもにかかる費用を少しでも抑えたい…。
フリーランスの中には、産休・育休に関する悩みを持つ人もいると思います。なかには不安やストレスで、精神的に追い込まれてしまう人もいるようです。
そこで今回は、フリーランスが利用できる産休・育休制度があるのか紹介します。少しでも家計をラクにしたいフリーランスは必見です。
産休や育休で苦しむフリーランスは少なくない
フリーランスが産休や育休で苦しんでいる人は少なくありません。なかでも「経済的な理由」で悩む人は多いです。
たとえば、このような理由で経済的困窮に追い込まれていきます。
- 仕事ができなくなり家計が圧迫される
- 出産や子育ての費用を捻出できない
収入を増やすために出産してから1カ月以内に復帰するフリーランスもいます。
フリーランスが使える育休・産休制度はない
会社員であれば育児休暇中に受け取れる「育児休業給付金」や、出産の費用を負担してもらえる「出産手当金」などを利用できます。しかしフリーランスは、これらの制度を利用できません。
フリーランス専用の公的な産休・育休制度がないのも、経済的な理由で悩む原因と言えます。
フリーランスの経済的負担を軽くする制度はある
フリーランス専用の制度はないものの、産休・育休の人全般に経済的負担を軽くする制度は用意されています。
どのような制度があるか見てみましょう。
妊婦健診の一部負担
妊婦の定期検診費用を一部負担してくれる制度です。ただし内容は、住んでいる場所によって異なります。
たとえば東京都新宿区では、指定された医療機関で使用できる「妊婦健康診査受診票」と「妊婦超音波検査受診票」、「妊婦子宮頸がん検診受診票」を配っています(参考:新宿区)。また千葉県茂原市では、妊婦健診1回につき2,000円まで助成する制度を用意しています(参考:茂原市)。
(出産前後における)国民年金保険料の免除
国民年金第1号被保険者が対象です。
- 1人のお子様を妊娠した場合は最大4カ月間(出産予定日or出産月の1カ月前~2カ月後まで)
- 2人以上のお子様を同時に妊娠した場合は最大6カ月間(出産予定日or出産月の3カ月前~3カ月後まで)の国民年金保険料が免除されます。
対象期間の国民年金保険料を先に支払っていたとしても申請すれば還付されます。ただし、この制度は自分から申請しないと適用されません。
ちなみに申請手順は、下記の通りです。
- 日本年金機構の公式サイト or 最寄りの年金事務所にて、申出書(国民年金被保険者関係届書)を入手し記入します。
- 申出書を年金事務所へ提出します。出産前に申請する場合は、自治体で出産の事実を確認できないため、母子健康手帳も一緒に提出しましょう。
なお窓口で提出する場合は「マイナンバーカード(ない場合はマイナンバーが確認できる書類と身分証明書)」。郵送の場合は、母子健康手帳などに載っている出産予定日が確認できる箇所のページをコピーしたものを提出しなければいけません。
参考:日本年金機構
出産予定日の6カ月前から申請できます。しかも通常の免除とは違い、保険料を支払ったものとしてみなされるので利用すべきです。
出産育児一時金
出産育児一時金とは妊娠・出産した人に対して支払われる制度です。妊娠から22週を超えた人が出産した場合、一時金として42万円支給されます(一部例外アリ)。一部の医療機関では、代理で受け取ってくれます。
児童手当
児童手当とは、お子様を育てている世帯に対して支給される手当てのことです。中学校を卒業するまで支給されます。
1人あたりの月額支給額は下記の通りです。
- 3歳未満→1.5万円/月
- 3歳以上~小学校を卒業するまで→1万円/月(3人目以降は1.5万円)
- 中学生→1万円/月
お子様の人数が増えるにつれて、支給される児童手当も増えます。ただし一定の年収を超えてしまうと、児童手当はもらえません。
幼児教育・保育の無償化
3~5歳児クラスの幼稚園や保育園の利用料が無料となる制度もあります(上限を超えた分や対象外の費用は自己負担)。利用料がネックとなり、お子様を預けられなかった人にとって便利です。ちなみに0~2歳児クラスにおいても、住民税非課税世帯であれば利用できます。
フリーランスが産休・育休によって苦しまないための対策法
どうせなら苦しまずに生活したいですよね。
そこで最後に、産休・育休をとっても苦しまないようにするコツを紹介します。
出産前までに貯蓄をしておく
出産までに貯蓄をしておきましょう。産休・育休による収入減、出費増に耐えるためには大事です。
貯蓄する時は最低限、これらの金額は貯めた方がいいでしょう。
- 出産費用
- 産休・育休によって減ってしまう収入分のお金
- お子様の生活費(オムツ代や食費など)・教育費用
早い段階から貯蓄をしておけば、産休・育休になった際、経済的負担で苦しむ確率を減らせます。
産休・産後・子育て中の生活設計を立てる
産休~子育て中までの生活設計を立てることも大事です。
生活設計を考える時は、これらの内容を意識しましょう。
- 経済面
- お互いの働き方
- 家事の分担
ご自身で生活設計を立てるのが厳しい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)など、専門家の力を借りるのも1つの手です。
パートナーによる福利厚生が使えないか確認しておく
パートナーが会社員の場合、福利厚生が使える可能性があります。消耗品を割引価格で購入できたり交通費が安くなったりなど、企業によって様々です。産休・育休時に役立つ制度が用意されている場合もあるので、チェックしておきましょう。
子どもを預けられる場所を見つける
育児中に働きたいのであれば、子どもを預けられる場所を見つけておくことも大事です。家族や親戚・保育園など様々な場所があります。
ただし保育園を探す場合、場所によっては待機児童が多くて申し込めない場合も…。したがって早い段階からの活動(保活)が大事です。
リモートワーク案件を見つける
出産前後や子育て中は、外出できない場合もあります。その時は、在宅で仕事ができるリモートワーク案件を見つけて収入を得るのも一つの手です。クラウドサービスやエージェントなど、様々な場所で募集しています。
過去のスキルを活かせるものだけではなく、未経験でも仕事ができる案件もありますので探してみるといいでしょう。
まとめ
フリーランスの産休・育休制度について紹介しました。
まとめるとこちらです。
①フリーランス専用の産休・育休制度はない
①妊婦健診の一部負担
②(出産前後における)国民年金保険料の免除
③出産育児一時金
④児童手当
⑤幼児教育・保育の無償化
①出産前までに貯蓄をしておく
②産休・産後・子育て中の生活設計を立てる
③パートナーによる福利厚生制度が使えないか確認しておく
④子どもを預けられる場所を見つける
⑤在宅で仕事ができるリモートワーク案件を見つける
家計の収入事情や理想とするライフスタイルによって、産休・育休中の過ごし方は変わります。流れに身を任せすぎると数年後、苦しい人生が待っているかもしれません。
生活苦を避けるためにも、産休・育休前に家計のことを考えておくべきです。パートナーと一緒に考え、心身ともに余裕のある生活を送りましょう。
※本記事の内容などは2021年2月現在の情報です。