・会社員との手取り額に違いはあるの?
・フリーランスの収入、税金事情はどうなの?
・フリーランスって稼げるの?
フリーランスの収入事情が、気になる人もいるでしょう。
正直なところ、職種によって平均年収額は違います。
そこで今回は、業種別でフリーランスの平均年収事情を解説しながら、収入と利益の違い、税金の計算方法、収入をアップさせるコツなどを紹介します。
フリーランスの平均年収、職種別
はじめに、フリーランスの平均年収(目安)を職種別に紹介します。
ここでは、一般社団法人フリーランス協会が発行した資料を基に、見てみましょう。
出典:フリーランス白書2019
ビジネス系
マーケティングや事務・経理職などで活動している人の平均年収は、400万円台です。
年収のデータは、ご覧の通りです。
- 年収200万円未満→16.2%
- 年収200~400万円未満→23.0%
- 年収400~600万円未満→16.9%
- 年収600~800万円未満→15.5%
- 年収800~1,000万円未満→8.8%
平均年収は割と高く、年収1000万円以上稼いでいる人もいます。
ITエンジニア系
平均年収は、300万円半ば~400万円半ばです。
年収のデータは、ご覧の通り。
- 年収200万円未満→14.6%
- 年収200~400万円未満→21.2%
- 年収400~600万円未満→22.2%
- 年収600~800万円未満→18.7%
- 年収800~1,000万円未満→11.6%
2019年現在、ITの人材も不足しているため、求人数は比較的多いでしょう。
コンサルティング系
平均年収は、300万円台~400万円台です。年収のデータは、ご覧の通り。
- 年収200万円未満→24.3%
- 年収200~400万円未満→31.5%
- 年収400~600万円未満→10.8%
- 年収600~800万円未満→9.0%
- 年収800~1,000万円未満→6.3%
法人だけではなく、個人から仕事を請け負うこともあるため、収入の差は激しいです。法人と個人契約のバランスによって、収入が決まるといっても過言ではありません。
専門・士業系
平均年収は、400万円台~500万円後半といえます。年収別の結果は、ご覧の通りです。
- 年収200万円未満→17.4%
- 年収200~400万円未満→13.0%
- 年収400~600万円未満→26.1%
- 年収600~800万円未満→8.7%
- 年収800~1,000万円未満→8.7%
平均年収は高いものの、人数が増えすぎて、フリーランスで稼ぐことが難しい業界でもあります。独立したものの、顧客を獲得できずに悩んでいる人もいます。
接客作業系
平均年収は200万円台~300万円台で、5つの職種の中では最も低いです。年収別の結果は、ご覧の通り。
- 年収200万円未満→22.2%
- 年収200~400万円未満→51.9%
- 年収400~600万円未満→14.8%
- 年収600~800万円未満→7.4%
- 年収800~1,000万円未満→なし
7割以上の人が、年収400万円未満です。よって、高年収を狙うのは難しいでしょう。
フリーランスの平均年収、年齢別
中小企業庁が委託した調査「小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編(2016年1月)」のデータを基に、年代が高い平均年収を予測したいと思います。
年代別の年収分布は、下記の通りです。
出典:中小企業庁
上記の資料を見る限り、平均年収は50代が最も高そうです。
20代~50代では、年代が上がるにつれて、平均年収も上がっている感じがします。
しかし、60代以上のデータを見ると、年収300万円を切るフリーランスの割合が増えています。
そのため、一生涯フリーランスの活動を行って、年収を上げ続けるのは難しいといえそうです。
フリーランスの収入の計算方法
フリーランスの収入とは、単純にいうと「売上実績額」のことです。
たとえば、顧客に50万円の商品を販売した場合は、50万円が丸々収入になります。
ただし、収入と手取り額は別物です。
収入は経費や税金を控除する前の金額、手取り額は経費や税金を控除した後の金額だからです。
そのため、混同しないようにしましょう。
なお、フリーランスも、いくつかの税金を支払わなければなりません。
ここでは、税金の種類を見てみましょう。
所得税
所得税とは、所得額に対して発生する税金です。
計算式は、こちらの通りです。
(売上-経費-所得控除)×税率-控除額=所得税の納付額
税率と控除額は、国税庁が定めている「所得税の速算表」に載っている数字を当てはめます。
出典:国税庁
さらに、平成49年に提出する確定申告分までは、所得税とは別に、復興特別所得税(所得税額×2.1%)も発生します。
住民税
住民税とは、都道府県民税と市区町村民税を合わせた税金です。
計算式は、こちらです。
(売上-経費-所得控除)×都道府県民税と市区町村民税を合算した税率-税額控除-配当割・株式等譲渡所得割額=所得割額
所得割額+均等割額(市民税と県民税を合わせたもの)=住民税額
(参考:神戸市)
税率と均等割額は自治体によって異なりますが、大きな差はありません。
健康保険
健康保険の計算式は、ご覧の通りです。
(売上-経費-基礎控除額)×医療分の所得割率+均等割額×加入者=医療分保険料
(売上-経費-基礎控除額)×支援金分の所得割率+均等割額×加入者=支援金分保険料
医療分保険料+支援金分保険料=健康保険料(参考:葛飾区)
※自治体によっては、医療分と支援金分保険料の計算時に、平等割が設定される場合もあります。
基礎控除額は33万円で、医療分・支援金分の所得割率、均等割額は自治体ごとで違います。
ちなみに40歳を超えると、介護保険料も発生するため、覚えておきましょう。
国民年金保険料
国民年金保険料は、毎月一律16,410円です。(2019年度現在)
収入・所得が増えても、支払額は変わりません。
所得が少ない場合は、支払の免除・納付猶予制度の利用も可能です(支払額が少ない分、将来支給される年金額も減ります)。
フリーランスの手取りは実際どうなの?
ここでは、フリーランスの手取り事情を見てみましょう。
会社員とフリーランスの違い
会社員とフリーランスの最大の違いは、社会保険や年金の支払事情です。
厚生年金に加入している会社員は、健康保険料や年金保険料のうち、企業と折半して負担します。
しかしフリーランスの場合だと、健康保険料や年金保険料の支払は、全額自己負担になります(参考:日本年金機構、北九州市)。
その他に、仕事に関係する消耗品費や備品代、交通費なども、フリーランスだと全て自己負担です(クライアントから支給される場合も有)。
つまり、収入額が同じ場合は会社員の方が手取り額は高いといえます。
フリーランスは経費計上できる
フリーランスは、仕事で使用した費用を経費として計上できます。
たとえば、こんな形です。
- 会議で使った部屋代
- 事務所代
- セミナー代 etc
経費の金額が増えれば所得額は減ります。結果、納税額も安くなるのです。
フリーランスになって収入を上げる方法
フリーランスの中には、収入が上がらずに悩んでいる人もいます。
どうせなら、1円でも収入が高い方がいいですよね?
そこで最後に、フリーランスになって収入を上げる方法を紹介します。
スキルアップ
報酬が高い仕事を手に入れる確率をアップさせるには、スキルアップが欠かせません。
スキルアップの方法は、ご覧の通りです。
- 塾・スクールに通う
- セミナーに参加する
- 本を読む
- アプリで学ぶ
- 友人から学ぶ
仕事とスキルアップの時間を、バランスよくとりましょう。
営業力
仕事を獲得するための、営業力も必須条件です。
スキルが高くても、案件を獲得しなければ稼げません。
営業力を上げたい場合は、下記のことを意識しましょう。
- 物ではなく自分を売り込む
- 喜怒哀楽を大事にする(営業先と共感したり、喜びや嬉しさをアピールしたりなど)
- 相手が喜ぶ営業をする
これらを意識して営業活動を行うと、報酬が高い仕事を任せてもらえたり、案件をたくさんもらえたりして、収入アップにつながる可能性があります。
社会適応能力
社会適応能力の具体例は、こんな感じです。
- クライアント先と仲良くできる
- クライアント先の意向に合わせて仕事ができる
- 提案をしてクライアント先に喜んでもらうために動く etc
極端な話、相手のことを考えながら仕事に取り組める能力を身につけるということです。
仕事を、継続的に依頼してもらうためにも、社会適応能力は大事といえます。
特技を生かそう
特技を生かして、収入アップを狙う手もあります。
学生時代や会社員時代に得たスキルや、保有資格の中から生かせる特技がないか探すといいでしょう。
希少価値が高いスキルもあるため、特技がないか考えてみてください。
まとめ
今回は、フリーランスの平均年収、税金事情などを中心に紹介しました。
まとめると、ご覧の通りです。
①ビジネス系・ITエンジニア系は割と高い
②コンサルタント系は、顧客が個人か法人かで収入に差が出る
③接客作業系の平均年収は低い
①スキルアップ
②営業力
③社会適応能力
④特技をいかそう
50代の平均年収が高いものの、20~30代で高年収を叩き出している人もいます。
ぜひ、フリーランスの活動を考えている人は、取り組んでみてはいかがでしょうか?
※本記事の内容などは、2019年7月現在の情報です。