フリーランスが重加算税を課される場合とは?確実に納税してペナルティを回避しよう

・重加算税とは
・フリーランスにも重加算税は課されるのか
・重加算税が課される人の基準は

「重加算税」というフレーズに耳を傾けたことがある方もいるかもしれません。これは一部の納税者に対して課される罰金の一種です。しかし、この罰金が課せられると、大変な経験をすることになります。
今回は、重加算税の基本的な内容を説明し、どのような人がその対象となるのかを紹介します。

重加算税とは

加算税には「過少申告加算税・不納付加算税・無申告加算税」などいくつかの種類がありますが、その中でも最も厳しいペナルティが「重加算税」です。

  • 過少申告加算税

これは、確定申告を行ったものの、確定申告受付終了後に修正申告や更生を行った際に課される加算税です。
税率は基本的に10%ですが、期限内に申告した税額や50万円を超える税額があった場合は、一部が15%になります。これは3つの中で最も税率が低い加算税です。

  • 無申告加算税

期限内に確定申告を行わなかった人に対して課される加算税です。税率は15%ですが、50万円を超える部分は20%になります。
ただし、過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課された人は、それぞれ10%ずつ加算されるため、税率は25%と30%になります。

  • 重加算税

これは、税務署(または国税局)から経費の偽造や収入の隠蔽など、意図的な脱税行為を認定された人に課される加算税です。
つまり、税務署から見れば、「重加算税を命じられた納税者=不正な納税者」とみなされます。これは、いわば税務署が管理する「ブラックリスト」に名前が載るということです。

重加算税を命じられるとどうなる?

重加算税を命じられると、何が起こるか見てみましょう。

本来の税額よりも多く納付しなければいけない

加算税というのは、本来支払うべき税額よりも多くの金額を支払う必要があるということです。
過去に無申告加算税や重加算税を課された経験がない人の場合、最大で「本来の税額(未納の部分)×40%」の重加算税が課されます。例えば、本来の税額が100万円だったとすると、重加算税として最大で40万円が請求されるということです。
しかし、過去に無申告加算税や重加算税を課された経験がある人の場合、最大で「本来の税額(未納の部分)×50%」の重加算税が課されます。つまり、税額が100万円だった場合、重加算税として最大で50万円が請求されるということです。
フリーランスの中には、重加算税が課された結果、資金繰りが難しくなり、事業を停止せざるを得なくなった人もいます。

参考:国税庁

青色申告特別控除の取消

青色申告特別控除とは、所得から最大で65万円控除される制度のことです。重加算税を命じられると取り消されることがあります。取り消されると青色申告特別控除を適用しないで、再度税金の計算を行います。
「青色申告特別控除がない=課税対象額が増える」ということです。なかには過去数年分の取消を命じられてしまい、追加で数十万円単位の支払いを命じられることもあります。

税務調査が厳しくなる

税務調査とは、納税者が適切に税金を納めているかを税務調査官が確認することを指します。
過去に重加算税を課された納税者の場合、税務署から「再び不正を行っているのではないか?」「何か不適切な行動を考えているのではないか?」と疑われやすくなります。その結果、税務調査がより厳格になる可能性があります。
厳格な税務調査となると、以下のような事態が生じるかもしれません。

  • 通常は過去3年分の資料のみをチェックするのに対し、7年分もの資料を調査される
  • 税務調査官からの質問が増える
  • 通常よりも時間をかけて慎重に調査を行う

通常ではチェックされない項目まで調査され、追徴金額が増えることもあります。

関連記事:【危険】税務調査に狙われるフリーランス(個人事業主)とは?5つの特徴と対策

重加算税が命じられてしまう行為

極端に言えば、故意に脱税や不正をした人は重加算税を命じられる基準になっています。とは言っても具体的にどのような行為が、重加算税の基準になるのか分からない人もいるはず。

そこで最後に、重加算税が命じられる行為を具体的に紹介します。

決算書の不正

これは、貸借対照表や損益計算書に記載されている勘定科目の金額を不正に増減させる行為を指します。決算書の金額を意図的に操作し、税金を減らそうとする行為は不正とされます。
確かに、確定申告時には仕訳帳などの帳簿を提出する必要はありません。しかし、税務調査が行われると、決算書作成の根拠となる帳簿書類もチェックされます。そのため、決算書の不正操作は必ず発覚します。

架空取引の計上

これは、実際には取引のないクライアントをあたかも取引があったかのように計上する行為を指します。
架空の取引を計上する理由としては、以下のようなものが考えられます。

  • 多くのクライアントと取引しているかのように見せかけ、仕事の獲得率を上げたかった
  • 架空の支払いを計上し、現金預金を減らすことで、資産がないように見せた

また、架空の経費を計上することも不正とされます。例えば、「全ての業務を一人で行いながら外注費を計上した」、「白紙の領収書にでたらめな金額を記入した」などが該当します。経費を多く計上すれば、課税対象額が減り税金が安くなるため、偽の見積書や契約書、請求書を作成する人もいます。

売上を調整

税金は所得が少なくなるほど減るため、一部のフリーランスは上記のような不正行為を行ってしまうことがあります。
例えば、年間の売上が500万円で経費が100万円だった場合、所得は400万円となります。しかし、売上を300万円に減らすと、所得は200万円となり、税金が少なくなります。中には売上の一部を次の期に計上し、その年の税金を減らすフリーランスもいます。

まとめ

重加算税の概要・対象となる人を中心に紹介しました。
まとめると、こちらです。

✓重加算税が命じられる基準
①決算書の不正
②架空取引の計上
③売上を調整

重加算税が課されると、事業を続けることが困難になることもあります。自身の事業を守るためにも、確定申告は正確に行うことが重要です。

しかし、自分で確定申告を行うのが難しいと感じる人もいるでしょう。そのような場合は、税理士に税務処理を委託するのも一つの選択肢です。委託することで、自身が確定申告の準備に費やす時間を削減できます。

関連記事:フリーランスが税務を税理士に依頼するメリット・デメリット!費用の相場も紹介

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