フリーランスの年金ルールとは?免除申請・老後対策も解説します!

・フリーランスも年金って支払うの?
・フリーランスが年金に加入しても受給額は少ないの?
・フリーランスができる年金対策ってあるの…?

フリーランスへ転身するか迷っている人の中には、年金のことが頭をよぎる人もいると思います。

会社員の場合は給料から天引きされることが多いため、年金について考える必要はなかったかもしれません。

しかし、フリーランスは自身で年金を支払う必要があります。

フリーランスとして独立すると、経理担当者が年金の支払処理をするわけではないため、年金のルールは知っておいた方が良いです。

そこで今回は、フリーランスの年金の概要・年金のルールなどを解説します。

フリーランスは年金を払わなければいけない

フリーランスへ転身しても、年金の支払義務はあります。

原則、20~60歳に該当する日本国民は、個人事業主や会社員、専業主婦であっても、年金に加入しなければなりません。

年金に加入しなくて良いと思っても、認められていませんので、ご注意ください。

フリーランスが加入する年金とは?

フリーランスとして独立後、加入する年金は「国民年金」です。

個人事業主や経営者、学生や無職の人が対象(第1号被保険者)の年金で、本人が支払います(参考:陸前高田市)。

自宅に届いた納付書を、コンビニエンスストアや金融機関へ持参して支払うのが一般的です。

なお、年金には支払期限日とは別に、支払期間が2年間設けられています。

「支払期限日は2019年〇月まで。支払期間が2019年〇月~2021年〇月まで。」となっているイメージです。

支払期限日を超えても年金保険料は支払えます。

しかし支払期間を超えると、年金保険料は支払えなくなります。

年金保険料が支払えなくなる=年金の加入期間に含まれなくなることを意味します。

つまり、年金の受給額が減るということです。

その他に加入期間が少なかったことで、年金を受け取れなかった人もいるため、注意してください。

国民年金と厚生年金の違い

国民年金と厚生年金は同じ年金ですが、いくつかの違いがあります。

とくに、大きな違いが「支給(支払)額と支払割合」です。

国民年金は毎月の支払額が一定ですので、支給額も一定です。

しかし、厚生年金の場合は支払額が人によって異なります。

なぜなら、給料額(標準報酬月額)で支払額が決まるからです。

厚生年金の場合、支払額は標準報酬月額の18.3%と決まっています。

仮に標準報酬月額が20万円であれば、3万6,600円。40万円だと、7万3,200円です。

つまり、給料額が高い人ほど支払額が多くなるのです。

その代わり、厚生年金保険料を多く支払った人ほど支給額も増えるため、会社員時代の給料が高い人ほど、老後に支給される年金額は増えます。

また、年金保険料の支払割合も異なります。

国民年金加入者は、全額本人が支払わなければなりません。

しかし、厚生年金の場合は企業と本人が折半して負担するルールです。

先ほどの例を用いると、3万6,600円であれば1万8,300円。

7万3,200円であれば、3万6,600円の支払で済むということです。

つまり、厚生年金加入者の方が支払う割合は小さいといえます。

フリーランスが毎月支払う税金額

前述で述べた通り、フリーランスが毎月支払う金額は一定です。

ちなみに2019年度における1カ月の年金保険料は、1万6,410円です(参考:日本年金機構)。

ただし、年度ごとで支払額は変わります。

また、期限を過ぎて支払うと加算税などが加算されて、本来の支払額よりも余分に請求されます。

加算金を払わないためにも、なるべく早めに支払った方が良いでしょう。

フリーランスに将来支給される年金はいくら?

国民年金を満額払った人は、2019年4月に支給が開始された場合、78万100円受け取れます。

ただし、支給される年金は支給開始年で変わるため、支給額が増えるか減るかは分かりません。

これは、厚生年金加入者も同じです。

しかし厚生年金加入者と比べると、支給額は少ないです。

国民年金の受給額のみで生活を送るには少ないため、何かしらの年金対策を行う必要があります。

年金を払わない選択はできるか?

年金を払わない選択をすることも可能ですが、一定の所得を下回らない限り、原則払わないという選択はできません。

年金を払わない選択が認められていないのに、年金の支払いを拒否すると、大変な目に遭います。

次章で、その内容を見てみましょう。

年金を払わなかった時に起こること

年金の支払いを無視した時に起こることを、いくつかのステップに分けて見てみましょう。

ステップ1:電話がかかってくる

年金の支払いを無視すると、日本年金機構が業務を委託している「日立トリプルウィン」から電話がかかってきます。

電話の内容は「年金の支払が確認できていないこと」、「いつ頃年金を支払えるか?」です。

この電話を無視したり、約束した期限に年金を支払わなかったりすると、次のステップへ進みます。

ステップ2:催告状の送付

この段階では、催告状が送付されます。

言ってしまえば、年金の支払を促す書類です。

段階を経て、3種類の催告状が送付されます。

催告状

催告状は、青色の封筒に入って届く書類です。

催告状の中では、程度が軽い書類ですが、催告状が送付されている段階で、支払期限を過ぎています。

よって、直ちに年金を支払うべきなのです。

特別催告状

特別催告状は、催告状が届いた段階で年金を払わなかった人の元へ届く書類です。

黄色の封筒に入って届きます。

最終催告状

特別催告状が届いた段階で支払わなかった人には、最終催告状が届きます。

催告状の中で、最も重くピンク色の封筒に入っています。

ここまで来ると、年金保険料を強制的に徴収するための準備が始まります。

最終催告状を受け取った段階で、最後の支払いチャンスだと思った方が良いでしょう。

ステップ3:督促状の送付

最終催告状が届いても払わなかった場合、督促状が届きます。

督促状は、催告状よりも重い書類です。

最悪な事態になるまでの、カウントダウンが始まったと思って良いでしょう。

ステップ4:資産差押通告の送付

督促状も無視すると、資産差押通告が送付されます。

あなたの資産を強制的に差押えることが載っている書類です。

拒否しても年金を支払わない限り、資産の差押えをストップすることはできません。

ステップ5:資産差押え決行

資産差押通告の書類が届いたのに放置していると、資産の差押えが決行されます。

代表的な資産が「給料」です。

あなたの口座に給料が振り込まれる前に、年金事務所は、あなたの給料を差押えます。

しかし、給料の額だけでは年金保険料の額に満たない(もしくは給料がない)人もいます。

その時は、担当者があなたの自宅へ強制調査をしに来ます。

自宅を物色し、転売or出品して、お金に替えられそうな物品を次々と没収していくのです。

自動車やゴルフクラブ、家電など、あらゆるものが没収対象となります。

このような事態に遭わないためにも、年金の支払を無視すべきではないのです。

年金を払えない時に活用できるのが免除制度

どうしても年金を払えない場合もあると思います。

その時に活用できるのが「免除制度」です。

免除制度とは、年金の支払いが免除されたり、減額されたりする制度のことです。

毎年、その年の所得に応じて免除制度の利用可否が決まります。

所得額が少ない人が利用できる制度ですので、一定額の所得がある人は利用できません。

なお免除制度は、4種類あります(参考:国民年金機構)。

1.全額免除

全額免除とは、年金保険料の支払いが丸々免除される制度のことです。

1円たりとも年金保険料を支払う必要はありません。

しかも仮に40年間全額免除を利用しても、満額支払った人の半分は、年金として受け取れます。

下記の公式に当てはめた金額よりも、所得額が下回っていれば、全額免除の対象です。

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

たとえば、扶養親族等の数が1人であれば、
(1+1)×35万円+22万円ですので、所得が92万円未満。

扶養親族等の数が2人であれば、
(2+1)×35万円+22万円となるため、所得が127万円未満。

このようにして、全額免除の対象者か判断します。

2.4分の3免除

4分の3免除では、25%のみの支払で済みます。

毎月の支払額が1万6,410円であれば、4,100円の支払で大丈夫です。

下記の公式に当てはめた金額よりも所得が下回れば対象です。

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

仮に扶養親族等控除額が48万円で、社会保険料控除額等が5万円であれば、
78万円+48万円+5万円となり、所得が131万円未満。

扶養者がおらず、社会保険料控除額等が5万円であれば、
78万円+0+5万円となるため、所得が83万円未満。

このような形で、4分の3免除の対象者が決まります。

3.半額免除

半額免除の対象になれば、50%の支払のみで済みます。

毎月の支払額が1万6,410円であれば、8,210円です。

下記の公式に金額を当てはめて算出された数字よりも、所得を下回れば対象です。

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

計算の要領は4分の3免除の時と同じですので、省略します。

4.4分の1免除

4分の1免除の対象になれば、75%の支払のみで済みます。

毎月の支払額が1万6,410円であれば、1万2,310円に減額できます。

下記の計算式に当てはめた金額よりも、所得額が下回れば対象です。

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

こちらも、計算の仕方は4分の3免除の時と同じですので、具体的な説明は省略します。

免除の他にも、支払期限を延ばす「納付猶予制度」もあります。

対象者は、全額免除の基準と同じです。

なぜ、免除制度を詳しく説明したかというと、免除を利用すれば加入期間に含まれるからです。

実際に10年間年金保険料を支払わなかった人を例に見てみましょう。

例.年金を10年間支払わなかった場合

1.全額免除をした
→加入期間に含まれる(受給条件は年金の加入期間が最低10年必要だから、この時点で年金を受け取れる)

2免除申請をしていない
→未納となり、加入期間に含まれない(年金の加入期間に含まれないから、他の期間で10年以上加入していないと年金を受け取れない)

現在は10年以上の年金加入期間がないと、年金は受給されません。

両者とも支払っていないにもかかわらず、免除の有無で受給額が大きく変わるのです。

よって、年金を支払う余裕がなかった場合は、免除制度を活用して、老後に年金を受け取れるようにすることが大事といえます。

年金受給額を増やしたいのであれば、国民年金基金に加入する手もある

年金受給額を、増やしたい人もいるでしょう。

その場合は、国民年金基金に加入する手もあります。

国民年金基金とは、1991年5月に国民年金加入者向けに設立された年金制度です(参考:国民年金基金連合会)。

国民年金保険料のみの支払と比べて、支払額は増えるものの、その分年金受給額を増やせます。

加入するまでの流れは、こちらの通りです。

STEP1:資料請求
ホームページの「資料請求はこちら」より資料をご請求ください。

STEP2:加入申出書の提出
加入申出書に必要事項をご記入の上、ご郵送ください。

STEP3:受付・登録
加入申出書の受付後、加入登録させていただきます。

STEP4:加入員証の郵送
登録完了後、加入員証を郵送いたします。

STEP5:完了
原則としてご加入の2ヵ月後から引き落としを開始させていただきます。

出典:国民年金基金連合会

掛け金を調整できるため、自身のライフスタイルに合わせて支払額を決めたい人にピッタリです。

ただし、国民年金の支払で免除や猶予制度を利用していたり未納状態だったりする場合は、国民年金基金への加入は不可です。

あくまで国民年金を全額支払っている人限定です。

国民年金を満額払っていない人は、老後の対策ができないのかと思う人もいるでしょう。

しかし、国民年金基金以外でも対策法はあります。

最後に、国民年金基金以外の対策法を2つ見てみましょう。

1.IDECO

IDECOとは、個人型確定拠出型年金の略です。

申込~年金が受給されるまでの流れは、こちらです。

1.IDECOを扱っている会社(証券会社や銀行など)から資料を請求する
2.運用方法(例.株式、債券、定期預金など)を選んで、自分で決めた額を毎月掛ける
3.運用実績によって年金支給額が決まる
4.60歳から年金が支給される

掛け金が同じでも、運用方法によって年金受給額に差が出ます。

運用方法の中には「ローリスク・ローリターン」に該当するものもあれば、「ハイリスク・ハイリターン」に該当するものも用意されており、複数の運用を組み合わせることも可能です。

ただし損失が発生すると、年金受給額が掛け金を下回ることもあるため、慎重に選んだ方が良いです。

なおIDECOには、このようなルールがあります。

・掛け金に上限がある(人によって異なります)
・掛け金の変更は原則、年1回のみ
・掛け金を途中で引き出せない(例外アリ)

掛け金は全額所得控除に算入できるため、節税にも役立ちます。

ただし、IDECOの申込先によって、取り扱っている運用方法が異なるため要注意。

そのため、いろいろなIDECOを比較して、自身に合いそうな証券会社や金融機関へ申し込むことを、おすすめします。

2.個人年金保険

生命保険会社が取り扱っている個人年金保険に加入して、将来の年金額を増やす手もあります。

個人年金保険の加入~年金受給までの流れは、こちらです。

1.保険会社へ申し込む
2.保険会社へ毎月、保険料を支払う(60歳までの場合が多い)
3.満期になったら、年金を受け取る

満期まで支払った人は、トータルの支払額の1割前後多く、受給されると思って良いでしょう。

ただし、途中で解約をすると損をします。

なぜなら、解約時に支払った額が全額戻ってくるわけではないからです。

保険の内容によっては、支払った額の7割程度しか返ってこない場合もあります。

つまり、長期間加入することを前提に申し込んだ方が良いのです。

なお個人年金保険に加入する場合は、口座引き落としではなく、クレジットカード払いをおすすめします。

理由は毎月の支払時にカードのポイントが付くからです。

カードのポイントは、買い物時の値引きやギフト券などの交換で使用できます(カード会社によってサービスの内容は異なります)。

お得感を味わいたい人は、覚えておきましょう。

まとめ

フリーランスの年金に関する内容を中心に、紹介しました。
今回抑えるべきポイントは、こちらです。

✓年金を払わなかった時に起こること
①催告状・督促状が送付される
②資産の差押え
✓年金受給額を増やしたいフリーランスが取れる対策
①国民年金基金への加入
②IDECOへの加入
③個人年金保険への加入

国民年金保険料を支払わなかったら、ペナルティが発生することもあります。

もし、経済的状況が苦しくて払えない場合は、必ず最寄りの年金事務所に相談してください。

すると、いくつかの方法を提示してくれます。

間違っても、支払いを放置することだけは辞めましょうね。

※本記事の内容などは2019年11月現在の状況です。

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