フリーランスの税金対策は経費と控除を理解すべき!計算方法と効率化解説!

・フリーランスの独立を考えてるけど、税金に疎いから不安…。
・経費と控除ってそもそも何?
・独立後に支払う税金は?

脱サラを考えているものの、税金のことを知らずに不安な人もいるでしょう。
読者の中には「経費が…」「控除が…」という言葉を他の個人事業主から聞くものの、何のことか分からない人もいると思います。
最初に言ってしまうと、経費と控除は、節税する上で大いに関係あります。

そこで今回は、独立後に支払う税金を解説しつつ、経費・控除の概要を紹介します。

フリーランスの税金対策は経費と控除を理解すべき

フリーランスなど独立した人が税金や経費、控除の知識を得るべき理由は、自身でお金の管理をしなければいけないからです。
会社員の場合、社内に経理担当がいるケースが多いです。そのため、大半の会社員は自分で税金の申告をする必要がありません。

しかし独立すると、税務回りの管理は自分で行います。
お金に関する知識がないと、効果的な税金対策を行えず、余計な税金を払うことにつながるため、個人事業主へ転身する以上、税金や経費・控除の知識は得るべきです。

「収入と所得」の違いも理解しておこう

収入と所得の違いも、見てみましょう。
似ている言葉に見えますが、2つの意味は異なります。

ここでは、収入と所得の違いを見てみましょう。

収入

収入とは、経費を引く前の売上額を指します。
仮に、2019年中に200万円の売上があった場合、年間の収入は200万円です。
なお、売上金額の一部が2020年に振り込まれる場合でも、未入金分を含めて2019年中の売上として計上します。
「収入=入金額」ではないので、ご注意ください。

所得

所得とは「収入-経費」の金額です。
仮に、2019年中の収入が200万円、経費が100万円だった場合は「200万円-100万円」で、所得は100万円となります。
税金面においては、収入ではなく所得を意識した方がいいです。
なぜなら、収入よりも所得の方が税金に関係するからです。

例を挙げながら、解説します。

例.Aさんが収入500万円、経費300万円。Bさんが収入400万円、経費100万円の場合(その他の金額は共に同じ)

Aさん
500万円-300万円=(所得)200万円

Bさん
400万円-100万円=(所得)300万円

収入はAさんの方が多いものの、所得はBさんの方が多いです。
この場合、トータルの税額はBさんの支払額が多くなります。
なぜなら、納税額は所得が上がるにつれて増えるからです。収入が大きくても所得を小さくすれば、税額は減ります。
結果、所得を意識すべきなのです。

フリーランスに課される税金を見てみよう

フリーランスになると、どんな税金を払うのか見てみましょう。

国民年金保険料

老後に、年金を受け取るために支払う保険料です。
会社員の場合、支払額は所得が多い人ほど増えます。しかし、保険料のうち半分は会社負担です。

一方、独立後に払う場合、保険料は収入に関係なく一定です。
しかも全額自己負担ですので、会社員時代と所得が同程度の場合、支払額は増えます。

国民健康保険料

国民健康保険料を支払えば、健康保険適用の治療・薬の処方を、3割負担で利用できます。
会社員であれば、年金保険料と同様に、会社が半分負担します。

しかし、独立後は全額自己負担です。保険料を滞納すると、保険証を受け取れない場合もあります。
手元に保険証がなければ、健康保険適用の治療であっても、医療費を全額負担しなければなりません。
なお、税率は居住地域ごとで異なります。

所得税

所得税は、所得に対して発生する税金です。
「所得-所得控除」の金額が大きくなるにつれて、納税額が増えます(=累進課税制度)。
下記の表を見ると、課税対象額が大きくなるにつれて、税率アップすることが分かります。

出典:国税庁

仮に、課税対象額が200万円の場合は、200万円×10%-9万7,500円ですので、年間の所得税は10万2,500円です。
ちなみに2037年12月31日までは、所得税とは別に「復興特別所得税(所得税額×2.1%)」が発生します。

住民税

住民税とは、自治体(都道府県と市区町村)へ支払う税金のことです。
「所得割額」と「均等割額」の合計で、納税額が決まります。
住民税も「所得-所得控除」の額が大きくなるにつれて、納税額が増えます。

個人事業税

年間の所得が290万円を超えていて、かつ該当の職種に該当する人へ課されます。
ちなみに、税率は3~5%です。

例を見てみましょう。

例.売上400万円、経費100万円、個人事業税率3%の場合

(400万円-100万円-290万円)×3%=3万円

上記の場合、3万円が個人事業税です。
ちなみに個人事業税は、租税公課として経費に計上できます。

参考:東京都主税局

消費税

税抜の年間売上高(収入)や、特定期間の売上高が1,000万円を超えている人は、消費税を納付しなくてはいけません。
消費税を払う人は、消費税に関する確定申告を行います。
申告期限は毎年、税務署の仕事始め(1月上旬)~3月31日までです。

フリーランスの税金対策は「経費」の管理が大事!

税金対策のカギは、経費です。経費とは、事業に関する費用のことです。

経費が増えれば、税金は安くなります。なぜなら、所得が減るからです。

前述の通り、所得の計算方法は「収入-経費」です。
収入が500万円、経費が50万円だとすれば、所得は450万円となります。
しかし、収入が500万円、経費が400万円であれば、所得は100万円です。

経費を増やすと、所得が小さくなって税金の支払額が減るため、税金対策につながります。
ただし、事業に関係しない費用の経費計上は、認められていません。
プライベートの食事代や雑貨などは、最たる例です。
その他に、仕事と旅行を兼ねて発生した交通費や宿泊代なども全額経費として計上できないため、ご注意ください。

経費の代表的な項目

経費には、いろいろな項目があります。
ここでは、代表的な項目を見てみましょう。

旅費交通費

旅費交通費とは、仕事の会議で発生した電車代や航空代、出張に関して発生した宿泊費などがあります。
仕事で外出する機会が多い人は、計上額が増えるかもしれません。

通信費

仕事で使用している携帯電話代やインターネット代金、書類を送付する時に購入した封筒代や切手代などがあります。
ただし、携帯電話代やインターネット代など、仕事兼プライベート用で利用している場合は、一部費用の計上しか認められません。

支払家賃

事務所使用料として支払っている賃料、コワーキングスペースの月額利用料などが含まれます。
建物を住居兼事務所として利用している場合は、仕事用で使っているスペースや時間を基に、経費を計算します。

なお青色申告をする人は、トータルの賃料と物件名、経費として計上した支払賃料を記入するため、支払賃料の何割を経費として計上したか、おおよそ分かるようになっています。
多額の支払家賃を経費として計上すると、税務署から指摘される場合があるため、ご注意ください。

水道光熱費

仕事をする時に発生した、エアコン代や電気代などです。
住居兼事務所として使っている建物において発生した水道光熱費も、全額経費として計上することは難しいため、覚えておきましょう。

会議費

会議をする時に発生した飲食代、会議室のレンタル料などが対象です。
支払内容によっては、接待交際費に含まれることもあります。

広告宣伝費

名刺代やチラシ代、自社のホームページ作成費用など、自分を売り込むために発生した費用のことです。

減価償却費

備品や固定資産などの価値が下がった分を、費用として計上する時に、減価償却費を使用します。
減価償却費として計上できる金額・割合は、製品ごとで違います。

ちなみに計算方法は2種類あります。

定額法

定額法とは、毎年決まった金額を、減価償却費として計上する方法です。

例を見てみましょう。

例.100万円で買った備品の残存価額が10%、耐用年数が10年だった場合

100万円×10%÷10年=1万円(1年間の減価償却費)

上記の場合、毎年1万円ずつ減価償却費を10年間かけて計上します。

定率法

一方、定率法とは購入価格に償却率をかけて、減価償却費を計上する方法です。

こちらも、例を見てみましょう。

例.100万円で買った備品の耐用年数が5年、償却率が0.4だった場合

1年目→100万円×0.4=40万円
2年目→(100万円-40万円)×0.4=24万円
3年目→(100万円-40万円-24万円)×0.4=14.4万円

上記のように、備品の取得価額を年々減らしながら、計算していきます。

ちなみに、定額法・定率法ともに「償却保障額」を下回るまで、減価償却費として計上できます。
償却保障額は、買った製品によって異なるため確認することをお忘れなく。

こんなものも経費にできる

意外なものが経費になる場合もあります。
ここでは、経費として計上できるものを紹介します。

(関係先の)冠婚葬祭費用

取引先の冠婚葬祭費用は、経費として認められやすいです。ご祝儀や香典などが該当します。
領収書はなくても、内容を記録した出金伝票とともに、行ったことを示す招待状などを保管すれば計上可能です。
ただし、冠婚葬祭用の衣装代や散髪代などは、プライベートの費用として扱われる可能性が高いため、経費計上は難しいでしょう。

自動販売機でのジュース代

取引先の担当者へ買った自動販売機でのジュース代も、経費として計上できます。
領収書はありませんが、出金伝票に購入した商品や何のために買ったか記録しておけば、認められます。

作業で利用した飲食店のドリンク代

1人で仕事をするために入った、飲食店でのドリンク代も計上可能です。
「クライアント先へ行くまで時間があるから、近くのカフェで仕事をした」、「近くにwifi環境がないから、カフェへ入って仕事をした」など、正当な理由があれば認められます。
ただし、フード代を経費として計上するのは難しそうです(複数人での打ち合わせであれば、経費として認められる可能性があります)。

経費の計上を効率化する方法

支払った項目が多いと、経費を計上する時の処理も面倒です。
しかし工夫すれば、経費の処理もラクになります。

ここでは、経費の計上を効率化する方法を3つ紹介します。

1.電子保存を利用する

電子保存とは、サーバー上やクラウド上などで領収書を保存する方法です。
紙媒体で保存する時と違って、かさばりません。
さらに、領収書を紛失するリスクが低いのもメリットです。
ただし電子保存を利用する時は、税務署への届け出が必要となるため、ご注意ください。

2.交通系ICカードで支払う

交通系ICカードで支払った場合、駅の券売機などで支払履歴を出力できます。
複数の履歴が1枚の明細に載っているため、領収書の枚数を減らしたい時に役立ちます。
乗車した電車の区間も記載してあるので、公共交通機関を利用する人に、おすすめです。
ただし、出力できる最大件数はICカードの種類によって異なるため、ご注意ください。

3.クレジットカードで買い物をする

クレジットカードでの買い物をすれば、1カ月間の支払い明細が載っています。
クレジットカードの利用明細書を、領収書代わりにできます(記載内容が不足していると領収書代わりとして認められません)。
よって、保管する領収書の枚数を減らしたい人に、おすすめです。

しかもカード会社によっては、24時間オンライン上より閲覧できます。
そのため、自宅のプリンタで好きな時間に、明細書をプリントアウトしたい人にもピッタリでしょう。

フリーランスの税金対策は「控除」についても理解が必要!

経費だけではなく、控除も理解しておきましょう。なぜなら、控除も税金対策に役立つ項目だからです。
控除の金額が増えれば、所得税や住民税の課税対象額が減ります。
所得税・住民税の納税額が安くなるため、税金対策につながります。

控除の代表的な項目を見てみよう!

控除の項目も複数あります。
ここでは、代表的な控除項目を3つ見てみましょう。

社会保険料控除

1年間に支払った健康保険料・年金保険料が全額控除される制度のことです。
たとえば、2019年中に健康保険料を10万円、年金保険料を15万円支払った場合、2019年分の社会保険料控除は、25万円となります。

生命保険料控除

民間の保険会社に支払っている保険料の一部を、計上できる制度のことです。
「新生命保険料」、「介護医療保険料」、「新個人年金保険料」の3つの枠が設定されています。
各枠の最大控除額は4万円ですので、合計すると最大12万円まで控除可能です。

ちなみに控除額を計算する時の式は、こちらです。

出典:国税庁

平成24年1月1日以降に、契約を結んだ保険に関しては「新契約」、平成23年12月31日以前に、契約を結んだ保険に関しては、「旧契約」で、生命保険料控除が計算されます。
ただし、保険のプランによっては、支払額の一部しか「支払保険料」として扱えない場合もあるため要注意。
そのため、生命保険料控除を意識して新たに保険契約を結ぶのであれば、生命保険料控除として計上できる金額を確認してから、契約することをおすすめします。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済を掛けている人が、利用できる制度です。
掛金は全額、所控除として計上できます。
つまり、2019年中に30万円掛けた人は、30万円控除できるということです。
掛金が増えれば、控除額だけではなく、廃業時に支給される金額も増えるため、お得度が高い控除項目と言えるでしょう。

確定申告時に「控除証明書」が届く

控除に関しては、控除額が載った「控除証明書」が届くケースが多いです。
社会保険料控除であれば、役所や年金事務所から1年間の支払い状況の書類が届きますし、生命保険料控除の場合、保険会社より控除額が載った証明書が送付されます。
控除証明書を紛失しても、再発行依頼をすると再度送付してもらえます(一部例外アリ)。
PDF上でプリントアウトできる場合もあるため、控除証明書を失くしても諦めないでください。

まとめ

フリーランスの税金・経費・控除などについて解説しました。
今回の記事をまとめると、このようになります。

✓フリーランスに発生する税金
①国民年金保険料
②国民健康保険料
③所得税
④住民税
⑤個人事業税(一部の人)
⑥消費税(一部の人)
✓経費の計上を効率化する方法
①電子保存を利用する
②交通系ICカードで支払う
③クレジットカードで買い物をする
✓控除の代表的な項目
①社会保険料控除
②生命保険料控除
③小規模企業共済等掛金控除

経費と控除を上手く活用すれば、支払う税額を数万~数十万円減らせます。
納税額が減れば、手元に残るキャッシュが増えるため、設備投資や自己投資などに回せるお金も増えます。
手元に残すキャッシュを少しでも増やしたい人は、経費と控除について理解し、税金対策に力を入れてみてはいかがでしょう。

※本記事の情報などは2020年2月現在の内容です。

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